オーストラリアで一カ月、羊飼いした話① ~広島店~

広島店プランナー 金平です。

今回は私がオーストラリア、メルボルン郊外の牧場で一カ月、羊飼いとして

過ごした体験をご紹介致します。

今年の5月13日から6月11日まで、会社の研修でオーストラリアへ

行ってきました。

私自身、30年以上ウールのスーツをオーダーで作る採寸を仕事にしていますが、

実際の素材の原料である羊の生態や、刈り取りがどのように行われるのか、

自分の目で見たことがありません。

単なる視察でなく、1カ月羊の世話をする羊飼いをつとめながら、

羊の飼育に携わってみたい、ということが研修の動機です。

Yan Yan Gurt West (ヤンヤンガートウエスト)

1カ月、ステイさせて頂いた牧場は、メルボルンから電車で2時間ほどの町、

バーリージュラにあるヤンヤンガートウエストという牧場でした。

1000頭もの羊を飼いながら、林業や農業の為の土地改良にも

幅広く取り組まれている農場です。

 

毎日の最も大切な仕事は、羊のエサやりです。

1000頭もの羊のエサやりは思いの外、重労働でした。

エサとなる干し草のロールは、直径150センチ、400キロもある重量物です。

雨が降らず、草の枯れる12月(オーストラリアの真夏)に牧場の枯れ草を刈って

1年分作りおきをします。

この干し草ロールをトラックで牽引するキャリアで牧場まで運び、地面に下して

周りを覆っているネットを切ります。

これを羊の食べやすい状態にするため、人の力で牧場の傾斜を利用して、転がして

バラけさせます。転がしたあとにバラけた干し草の道が出来上がり、そこにワラワラと

羊が集まってきて草を食べます。

傾斜地を利用するといえど、下は柔らかい草地のうえロールは400キロあるので、

動かしはじめは

「えっ?これ押すの無理だけど、、」

というぐらい重いです。

ただ横から押してもダメで、ロールの真ん中より下側にもぐって、大地を踏みしめ

下から突き上げるのがコツです。さらに干し草は回転の遠心力でバラケるので、

ある程度スピードにのって押さないと草がバラケず、ただ押してるだけになります。

転がりはじめると、自分の足元に草が塊りで落ちてくるので足をとられて

転倒しないように、タイミングよく飛びながら、走って押さなければなりません。

こうして、干し草ロールがバラされたあとに、羊が群がり食事をします。

この羊たち、生えている草も食べますが、長い間同じエリアにいると

草を食べつくしてしまうため、定期的に牧場エリアの移動を行います。

羊の移動が公道をまたいで行われる時、オーストラリアでは車より羊優先です。

郊外の舗装路は制限速度100キロなので、羊が車にひかれないように、

横断場所の前後に人が立ち、工事用の蛍光ベストを着用して通行する車に

注意を促します。

ちょうど、カメラ位置にベストを着用した私が立っていて、撮影したのですが、

車が爆走してこないか、ドキドキでした。

羊は臆病で従順な生き物なので、列を乱して脱走したりすることもなく、

皆、前の羊に続いて、道路を渡り、移動していきます。

 

 

産まれて日の浅い赤ちゃん羊は、子供が抱きかかえても嫌がったり暴れることもなく、

生きたヌイグルミのようで、その可愛さはなんとも言えません。

次回は、オーストラリアのウールミュージアムについて、お話しします。